だが、外へ出ると風が冷たかった、一瞬、私はこのまま別れるのは、少し酷なような気がした。
それは彼女のためだけでなく、僕自身にも淋しすぎる。
几天之前,西边的手稲山下了第一场雪。
就在这样对话着,和两个人平时没两样地放松着自己。就这么看,就像是一对很要好的qíng侣在吃饭一样。
我突然想到,也许这样继续下去,可能两个人也会淡淡地分开也说不定。
在两个人快要吃完的时候,我们俩的气氛稍起了些变化,我们把剩下的酒一饮而尽。
酒量尚浅的她已眼神迷离,脸颊微红。
吃完了全套西餐,我们站起来准备离去。
最初的约定是走出餐厅,就这样分别的。这样做,她也能接受吧。
但是,走到外面风chuī着挺冷的,有那么一瞬,我觉得就这样分开,是不是有点太残酷了。
这也不仅是对于她,对于我来说也太寂寞了。
「ちょっと、もう一軒だけ飲みに行こうか」
僕が言うと、彼女は素直にうなずいてくれた。
枯葉の舞いだした舗道を歩きながら、僕は「もう一軒行くのは、風が冷たいからで、別れたくない彼ではない」と自分にいいきかせた。
別れるはずの女xingと、いつまでも一緒にいる理由を、風や寒さのせいにするのは卑怯かもしれないが、実際、そのときはそうだと思いこんでいた。
だが、そう言い訳することが、すでにおかしかったのかもしれなかった。
もう一軒のバーに行き、飲んでいるうちに僕は次第に気持ちが和らんできた。
今日で最後だという、悲愴な気持ちが薄れ、まだまだこれからも一緒にいるような錯覚にとらわれてきた。
今何故、別れなければならないのか、その根拠さえ疑わしくなった。
それは彼女も同じらしかった。
酔って、いつの間にか、僕の肩に頭を寄せている。
“稍微再去喝一杯吧?”
我这么说着,她直率地点了点头。
走在枯叶纷飞的辅道上,我暗自思忖着“再去喝一杯,是因为风太冷了,并不是不想分开”。
本应分开的女xing,总是以寒风之类的为由,找借口在一起,这样子可能很卑鄙,但是其实那个时候就是那么想的。
但是,找这样一个借口本身可能已经很奇怪了。
去了再喝一杯的酒吧,喝着喝着,我的心qíng也逐渐缓和了下来。
一想到今天是最后一次见面,总觉得有些悲伤,竟然产生了以后还能在一起的错觉。
如今为何非要离别不可,已经开始怀疑离别的缘由了。
这一点她也一样。
她醉了,不知何时将头枕到了我的肩上。
やがて、二軒目の店を出ると十時だった。
風は相変わらず冷たい。その北風に触れて、僕は改めて、今日彼女と別れるために会ったことを思い出した。
僕達は、一通りの少なくなった裏小路を並んで歩き、表通りに出たところでタクシーを拾った。
「送っていこう」
K子はしばらく僕の顔を見てからうなずいた。
不久,从第二场的店内走出来的时候,已是十点钟了。
风还是一样的冷。chuī着这样的北风,我再一次想起来,今天是为了和她分手而来。
我们在一条人迹稀少的小路上并排着走着,通到了大路上,拦了一辆的士,“我送你。”
K子稍稍看了我一下,点点头。
繁華街から彼女のアパートまでは、車で十五、六分の距離だった。
広い通りを左へ曲がり、薬屋の角を右へ曲がったところが彼女の家である。そこへ着いたら、僕はもう永遠に別れなければならない。
車が停まったら、男らしくきっぱりと分かれよう。
そう思いながら、タクシーが彼女のアパートの前に着いたとき、僕はまるで別のことを言った。「ちょっと、寄っていい?」
「降りるの?」
僕はうなずくと、すぐお金を払って、あとを追った。
そのまま、K子の部屋へ行く。
从闹市区到她所住的公寓,要十五、六分钟的车程。
走过宽敞的大马路,左拐进曲折的小巷中,再在药店处右转后就是她家住的地方。到了那里的话,我就不得不要和她永远的离别了。
等车停下来了,就像个男人样的慡快的分开算了。
正这么想着,等的士停在她公寓前时,我说了完全不同的话,“可以稍微呆一会吗?”
“要下来吗?”
我点着头,很快付了钱,然后追上了她。
就这样,向着K子的房子走去。
ドアを開けてはいると、部屋の中は暗くてひんやりとしていた。窓際にある机の上の置物が、闇の中にぼんやりと浮き出ていた。
僕は、こんなところにK子を一人で帰すのは可哀想だと思った。やっぱり家までついてきてよかった。
「コーヒーがいい、それともお茶?」
「お茶をもらう」
僕達はまた、今までと同じように、小さな座卓に向かい合って坐った。
八畳とダイニングキッチンの部屋には、ガスストーブがつき、暖かさが部屋に満ちてきた。
僕は、ガスストーブの火で赤く揺れる彼女の顔を見ながら、「今夜だけ」といった。
結局、その夜も、僕は彼女のアパートに泊まり、翌日、あたふたと病院へかけつけた。
门一打开,房子里又暗又冷,窗边放着的茶几上的东西,隐约在黑暗中透出模糊地轮廓。
我把K子一个人送回这样的地方,不尽觉得她很可怜。果然一直跟到了家真是太好了。
“咖啡可以吗,还是茶?”
“要茶吧”
我们还是和以往一样,小小的茶几面对面地坐着。
八叠大的客厅连厨房的房子里,开着煤气炉,整个房间都充满了温暖。
我,看着煤气炉火红的火焰摇曳着,映衬着她微红的脸庞,“只有今晚”如此说道。
结果,那夜,我也在她的公寓留宿了,第二天匆匆忙忙地赶去医院。
僕たちの別れは、いつもこんなふうに、にえきれなかった。
今日こそは別れようと、大決心をして会いながら、気がつくとまた互いに体を寄せ合っていた。
男らしくな、女々しいといわれたら、弁解の余地はない。
自分で自分にあきれた。
それは彼女も同じようだった。
我们的离别,总是这样,犹豫不定。
为了今天的离别,我下了很大的决心,可等察觉到的时候,两人又再一次的彼此靠近彼此。
要是被说是不像是男人,或者婆婆妈妈,也没有辩解的余地。
自己也对自己这样感到很厌恶。
然而她也是一样。
「今日で終わりにしましょう」といいながら、いつか僕を受け入れていた。
もちろん、最終的には、僕が求めるから、そうなるので、彼女から積極的に求めることはなかった。
現実に求めていくのは、常に僕のほうである。
だが、といって彼女のほうに責任がないとも言い切れない。
雰囲気に流されるとはいえ、彼女のほうにも、ある程度、僕を受け入れる態度はあった。
今日一日ぐらい、今一度だけ、という思いが、二人の気持ちを一層かきたてる。
これで、この人と二度と会えないかもしれない、そう思うと、さらに燃える。
それは残り火が燃え尽きる瞬間、鮮やかな焔の色を見せるのに似ている。
“今天就结束吧”只要这样说,我是什么时候都能接受的。
当然,最终是我在渴求着她,虽然是那样,但她并没有那样积极地渴求着我。
现实中经常提出需要满足的,是我这边。
但是,要这么说来也不能说完全断定她那方没有责任。
虽然说那天我是被气氛所动,她也是一样,但某程度上,我也默认了她的这一态度。
只有今天一天,只是这么一次,虽然这么想,但两人的气氛愈发被煽动起来。
像这样,或许不会和这个人再见面了,这么想着,我的这种心qíng就更加地燃烧起来。
在余下的火炎燃尽之际,仿佛能看见那火焰鲜艳的颜色一样。
もう会えない、これで最後、そう思いながら、僕たちは逢瀬を重ねた。
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